読むサラダ〜140字小説家の挑戦〜

140字小説家✒︎『Twitter novelist』による新しい文学への挑戦記。文字を使って様々な文学への可能性を追求します。一緒に作品を作りませんか?

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『白と黒』ブログ小説NO.35

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白と黒

満月が二人の術師を見守る。闇が深まり、怪鳥がけたたましく鳴いた。

 

白と黒の術師は目元だけ晒し、互いを威圧している。交錯する視線がお互いの体を縛り付け、命のやり取りを慎重にさせた。


空気が張り詰め、風が運んできた木の葉をその圧で真っ二つに割った。


それを合図に黒の術師が先に動く。

素早く五芒星を夜空に描くと、黒い雨を降らした。触れれば即死。

 

無数の雨粒は容赦なく、白の術師に降りかかる。

 

「殺った」

黒の術師はそう思った。


ーー刹那。

白の術師が夜霧へと変わる。黒い雨は標的を失い、虚しく地を叩いた。

 

黒の術師が気付いた時にはもう遅い。白の術師の吐息を耳元で感じ、闇へと落ちていった。

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