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『笑う意味』ブログ小説NO.43

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笑う意味

「残念ですが…」

私は診察室で泣き崩れた。たとえ治せなくても医師であるならば、希望を持てる言葉を聞きたかった。

 

可能性は0。そういう台詞だ。

 

私は退院を決意し、余生を好きなことに使うことにした。

 

大好きだったお笑いのまだ売れていないコンビのライブ。私はそこで病気のことを忘れるくらい笑った。

 

本当に久しぶりだった。病室から眺める景色はいつしかセピア色に染まり、生きている意味を見出せなかった日々。

 

それが退院した瞬間にこうだ。世界が変わった瞬間だった。

 

芸人さんと連絡先を交換し、体調が悪い時にはライブ終わりに自宅まで来てくれてネタを披露してくれた。

 

私の笑い声だけがきっとアパートに響き渡っていたことだろう。


母に必死に頼まれた久しぶり診察。行きたくなかったけれど、母のためにも、いつも笑いを届けてくれる彼らのためにも仕方なく診察室をノックする。

 

診察の結果、奇跡的に癌が大幅に小さくなっていた。

 

驚いた医師に私は「私だけの最高の医師たちを見つけましたから」と言ってやったのです。

 

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