読むサラダ〜140字小説家の挑戦〜

140字小説家✒︎『Twitter novelist』による新しい文学への挑戦記。文字を使って様々な文学への可能性を追求します。一緒に作品を作りませんか?

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『心の虹』ブログ小説NO.45

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心の虹

この世で一番、僕は科学の授業が大っ嫌いだ。

 

白衣を身につけた先生が僕ら生徒に小難しい知識をぶつけるだけ。

 

科学の知識をつけて何になる。みんなが先生のように頭が良いわけじゃない。

 

毎日そんな不満に心がすさんでいた。


「何か質問は?」

先生がメガネの位置を中指で直しながら、クールな調子でいつものように僕らに質問した。

 

全然関係のないことを聞いてやろうと僕は手を挙げた。

「今習ったことをマスターすれば、虹がなんで見えるのかわかるようになりますか?」

 

さぁ、馬鹿にすれば良い。太陽光の角度がどうとか、どうせ難しいことを並べるのだろう。


「良い質問だ。虹が見える現象は実に奥深い。例えば君たちがホースで何かを洗う時を想像してみてくれ。そこには今教えた記号や法則みたいなものを超えて、洗う人の心が現れる。美しい気持ちが虹を見せるんだ」


僕は科学が大好きになった。

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