僕の名前は『じっと』。
一ヶ所でじ〜っと固まってるからこの名前を付けてもらった。飼い主が寝たり、お出掛けしたらじっとなんてしていないけれど、それはまだバレていないはず。
ある日、僕は今まで住んでいた家から旅に出ることになった。前のおじいちゃんの家で6匹の子猫が同時に生まれたんだ。僕はその中の一匹だった。
真っ白3匹に黒猫、茶白、そして黒白の僕。お母さんが三毛猫だったからあらゆる色が出たんだって。黒白ぶちって本当は可愛いはずなんだけど、僕の場合、黒の一部がヒゲみたいに鼻に出ちゃった。
もちろん美しい白猫の兄弟たちから順もらわれていった。まぁ、片方だけヒゲが生えてるから仕方ないよね。僕はこの片ヒゲの模様が少し嫌いになった。
兄弟が次々にいなくなり、そして僕はついに茶白ぶちの兄弟と二匹だけ残った。まぁ、おじいちゃんのことが大好きだから残って正解なんだけれど。
でも、おじいちゃんには僕らを飼えない事情があった。おじいちゃんの家はもうネコがたくさいるんだ。これ以上、増えるわけにはいかない。だから僕はじっと我慢して町の譲渡会へと旅に出た。
そして、そこで今の飼い主さんと出会った!それは偶然だったのかもしれない。まだ譲渡会が始まる前の時間。駐車場からおじいちゃんが僕ら二匹をケージに入れて歩いていると、新しい飼い主さんたちがそのケージを覗いてくれた。そして僕らをその場で気に入ってくれたんだ。
片方だけヒゲがあるのにだよ?みんなそれを可愛いって言ってくれた。初めてその時に自分の片ヒゲの模様を好きになった。欠点が個性に変わった瞬間だ。
僕は今新しい飼い主さんたちと毎日楽しく過ごしてる。一番年下の次女ちゃんが焼き鮭とかつお節をこぼすのをハントするのが趣味なんだ。また新しい出来事があったらここで報告するね。